今だから話せる事。モキュの生きようとする力

長らく放置していたブログですが、久しぶりに書きたいと思います。

数日前の夕方。夕方といえば、息子の習い事の送迎、夕飯の準備などで
一番バタバタする時間帯。

その日の私も、バタバタとしており
2〜3時間ほど、モキュの顔を覗き込みに行くことも出来ずにいました。

家族の夕飯を準備し、テーブルに並べ
さあ！モキュちゃんのご飯タイムだぞ！と準備し行くと

モキュの顔がおかしい、普通じゃない

その数時間前まで、いつも通りだったのに！

これはヤバイ！と思いました。

今までも何度か、もうダメかもと思う時がありましたが
先日のものは、その時と比では無い顔つきでした。

具体的にどのような状況だったかというと

まず、目が虚ろを通り越してスーパーの魚のような…ぬめっとした
生気が無い目をしている

手を触ろうが、足を触ろうが、口を触ろうが、反応しない。

唇、舌、目の周りの粘膜といわれるところは
赤味がなく、血の気の引いた白っぽい色をしている

声をかけようが、反応が無い
口に食べ物を近づけようが、口を動かすことも無い

（無理に入れると気道を塞いでしまいそうで入れられなかった）
水を入れようが、反対側から垂れ流す
大好きなバナナを近づけようとも、口をピクリとも動かさない

ただ、呼吸だけをしている…

そんな状態でした。

このままモキュの体は、動かなくなっていくのだろう…
ああ、今モキュは旅立とうとしているのだ…

私はそう感じました。

旦那さんも、息子も呼びました。
2人とも、同じように感じ、今日がモキュとのお別れの日になるんだと
みんなで順番になでなでをしました。

唯一良かったといえば、家族みんながいたこと
モキュの旅立ちに、立ち会えたこと

そんな事を思いながら、今まで何度も想像してきた
亡くなった時の手順を思い起こしていました。

とはいえ、目の前のモキュは

まだ呼吸をしている。

死んではいないのです。

14歳になったモキュに、もう出来ることは…ほぼありません。
それでもその時出来ることをと、火を使わないお灸を背中に貼り
以前買った、酸素生成器の管をモキュの鼻元に近づけ

ただただ撫で続けました。

「おーい！モキュちゃーん！いつまで寝てるんだー！」
「美味しいバナナだよー！バナナちゃんだよぉおお」
「おーい！戻ってこおおおおおい！」

なるべく、明るく声をかけ続けました。

「今までありがとう！」的な声をかけてしまったり、悲しい言葉
泣き声を聞かせてしまうと、モキュが亡くなることを認めてしまう気がして
せめて出来る抵抗が、モキュに明るい言葉をかけるくらいしかありませんでした。

それにモキュも、人間の言葉がわからないにせよ

喜怒哀楽の感情のどれかくらいは、判断がつくのでは無いかと思うからです。

このまま、モキュが旅立つのなら
苦しそうにしている様子もないし、まさに老衰。
大往生と呼ぶべきであろう！

不思議と私は、涙も何も出てきませんでした。

私たちはこの14年間。
特に寝たきりになってからの、この14ヶ月
いろんな事態を乗り越えてきた！

モキュの努力、奇跡を知っているから
それは悲しいことでは無いんだ

そう言い聞かそうとしている自分がいました。

そんな状態が２時間ほど続き、水を飲ませようと
シリンジを奥の方まで差し込み、グッと押しました。

すると！モキュが急に、反応し出し
口をパクパクとしたのです！

え？えええ？！モキュが動き出した！

少しだけご飯を近づけると、一口、二口と食べ出しました
それもすぐ、食べなくなってしまいましたが
時間をかけて、少しづつ食べてくれたのです。

そして、青白くなっていた
目の周り、口元、舌は、徐々に血色がよくなり
生気の抜けた目は、輝きを取り戻してきました！

それから数日をかけ、元気を取り戻してきたモキュ
「ま！もう少し生きてやっか」と思ってくれたのかなと思います♪

今でも、旦那さんと話すのは
あの時のモキュに気づかずにいたら…

恐らくモキュは、そのまま亡くなっていただろうと。

それが、たまたまあのタイミングで声をかけれたから
モキュはまた頑張ろうと思ってくれたけど

声をかけられなかったら、静かに旅立って行っただろうと話しています。

でもそのタイミングが、出かけている時だったり、寝ている時だったりで
知れず旅立ってしまったとしても

それはモキュにとって、可哀想な事ではない
モキュは立派に生きてきたし、モキュの選んだその時だったんだと思うのです。

いつかは必ず旅立つ命。
必ずしも立ち会えるとは限らない。

立ち会いたいと思うのは、飼い主の願望であって
恐らくモキュは、何も思うことはないでしょう。

大切なのは、立ち会うその時ではなく
それまでどう接してきたか、どう過ごしてきたか。
それが全てだと思うのです。

とはいえ、旅立ちのその時には立ち会いたいですけどね。

これからも、モキュとの1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。